探触子
探触子とは、超音波を発生又は受信する振動子を組み込んだセンサーです。
超音波は、圧電素子材料に高周波のパルス電圧を加えることで起きる素子のひずみ(振動)によって発生させることができます。
また、この圧電素子材料は外部から力が加わると電圧を生じる性質を持っており、超音波振動を電気信号に変えることができます。
探触子の基本的な構成は、圧電特性を持つ振動子、前面板、ダンパをケースに収納したものとなっています。
溶接部の探傷などに用いられる斜角探触子は基本構成は他の探触子と同じですが、材料中に超音波を斜めに伝搬させるため、前面板の代わりにアクリルなどのクサビの背面に振動子を接着したものがケースに収納されています。
弊社では、お客様に求められる様々な探傷方法と使用目的に応じたオーダーメイドの探触子を製作いたします。
超音波
超音波とは、人の耳では聞くことができないような高い周波数(一般には20,000Hz以上)の音波のことを指します。
鋼などの金属材料の探傷用途には2〜10MHz(メガHz=100万Hz)の周波数、セラミックス材料には10MHz〜100MHz、炭素繊維系の複合材料には5〜25MHz、コンクリートには数十〜数百kHzオーダーの周波数の超音波が使用されています。
また、病院などで用いられる医用超音波診断装置では、3MHz前後の超音波が使用されています。
このように利用目的に応じて、様々な周波数帯域の超音波が使用されます。
超音波は、液体から固体、又は固体から物質の異なる固体に伝搬するとき、その境界面では反射や屈折、回折及び縦波から横波への変換(又は横波→縦波)するモード変換等の特性があります。
これらの特性を利用した各種の超音波探傷方法が開発されています。
非破壊試験
非破壊試験は金属材料をはじめとした、各種材料の構造材に対してきずを付けたり壊したりすることなく、表面や内部に存在するきず(欠陥)を検出する目的で行われる試験です。
非破壊試験の代表的な手法として、放射線透過試験、超音波探傷試験、磁気探傷試験、浸透探傷試験等があります。